サステナビリティ

内部統制システムの構築

全日空商事グループでは、会社法に基づき、各会社の取締役会において、業務の適正を確保するための方針(内部統制システムの基本方針8項目)を決議し、その方針に従った内部統制体制の構築と定時のモニタリングによるPDCAを実施し、その適正性を確保してまいりました。

2008年7月に取締役社長を議長とする「CSR推進会議」を発足させ、2021年4月に「サステナビリティ推進会議」と名称を変更し、その下部に5つの専門委員会を設置し、グループ全体で内部統制の強化に取り組んでいます。
「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会」
「環境マネジメント委員会」
「食の安全委員会」
「貿易管理委員会」
「消費生活用製品 品質管理委員会」

一方、ANAホールディングスの連結子会社として、金融商品取引法に基づく財務報告に関わる内部統制の整備と監視が義務付けられており、ANAグループの一員として、財務報告に不正や誤りを生じるリスクへの対策を講じています。
また、当社内部監査部門による評価と、ANA監査部門および監査法人による評価を受け、適正性を確保するしくみを整えています。

コーポレート・ガバナンス体制図

コンプライアンス推進体制

全日空商事グループでは、ANAグループコンプライアンス規程およびそれに準拠した行動基準と、商社グループとして遵守すべき項目を定めた当社グループのコンプライアンス規程を基に、当社グループ全役職員に対して法令や社内規定の遵守、また倫理的行動をとることを強く求め、社会からの要請に応える努力を重ねてまいりました。「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会」は、当社グループのコンプライアンスに関する重要方針の立案、審議、推進などを行っており、「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会」に属し、各グループ会社および全日空商事各部門で選任された「サステナビリティ推進者」が各事業におけるコンプライアンスの核となり活動しています。このようなコンプライアンスに関する取り組みは定期的にサステナビリティ推進会議に報告され、必要に応じて経営会議や取締役会に報告されています。尚、コンプライアンス上の問題の早期発見などを目的とした相談窓口は、ANAグループとして設置している「ANAアラート」を利用しています。

環境

環境に対する基本的考え方・全日空商事グループ環境方針

<環境に対する基本的考え方>

  • 環境を大切にする心は、私たち自身が地球に負荷をかけていることの自覚から始まります。
  • 私たちは、資源とエネルギーを大切に利用し、豊かで持続可能な社会の創造に貢献します。
  • 私たちは、率先して環境保全に取り組み、地球を想う心を世界の人々と分かち合います。

<全日空商事グループ環境方針>

当社グループは、限りある資源と地球環境を大切にする環境保全の取組みを重要な経営課題と認識し、付加価値の高い利用に努め、グループのあらゆる企業活動を通じて、長期的視点に立って、豊かな社会の実現を目指します。

  1. 事業活動が環境に与える影響を正確に把握・分析し、環境保全活動の継続的な質の向上に努めます。
  2. 法律・規制などの法令遵守に留まらず、さらに自主的な行動を促進し、お客様やお取引先様とのあらゆる接点において、環境負荷の低減に努めます。
  3. 製品やサービスの開発・提供にあたっては、環境負荷を低減する素材や製品開発などを重要な使命であると考え、普及に努めます。
  4. サプライチェーンの環境配慮にも常に注意を払い、環境に配慮した調達を推進します。
  5. 4R(Reduce Reuse Recycle Renewable)と廃棄物の削減に積極的に取組み、社会に貢献します。
  6. グループ会社全体において、環境保全に対する社員一人ひとりの意識向上を図ります。

社会

ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)

全日空商事グループでは、ANAグループ ダイバーシティ&インクルージョン宣言にもとづき、多様な働き方の推進とともに、環境整備・風土醸成に取り組んでいます。

<ANAグループ ダイバーシティ&インクルージョン宣言>

私たちは

  • Diversity (多様性:人種、国籍、宗教、文化、年齢、障がいの有無、性別、性的指向・性自認、価値観、経験、働き方など)
  • Equity (公正性:多様性に応じた支援と公正な成長・チャレンジの機会)
  • Inclusion (受容・共生:個々の違いの理解、チームとして支え合う意識)

という三つの要素を大切に社員の多様性を尊重し、誰もが活躍できる職場作りを通じて、より良い社会の実現に取り組んでいきます。

DEI推進の主な取り組み

意識改革

  • 組織長に対するダイバーシティ・マネジメントを学ぶ機会の提供
  • e-Learningの実施

女性活躍推進

  • 女性管理職比率 15.1%(2023年3月末時点)

キャリア支援

  • キャリア継続支援デスクの設置
  • ジョブリターン制度
  • キャリアデザイン研修の実施

両立支援

  • 時短勤務
  • 育児・介護と仕事の両立に有益な知識・情報を提供するセミナーの実施
  • マザーケアサービス登録
  • 保活支援コンシェルジュ
  • 企業主導型保育所の共同利用契約
  • 男性育児休暇取得の推進

多様な働き方の推進

  • フレックス制度の活用推進(2022年度 一人あたり月平均時間外労働時間数 10.4時間)
  • リモートワークの推進
  • 有給休暇取得の促進(2022年度 有給休暇取得率 49.56%)
  • 兼業ガイドラインの設定

障がい者雇用・活躍推進

外部からの評価

「えるぼし認定」において厚生労働大臣から優良企業として認定を受け、最高位「3つ星」取得

2023年度「PRIDE 指標2023」 実施主体:work with Pride PRIDE 指標事務局

社会への責任ガイドライン

ANAグループの一員である、全日空商事グループにおいても、ESG経営の基盤をより強固にするため、グループの全社員(嘱託社員、出向社員、パート・アルバイト、派遣社員等も含む)が共通して守るべき「社会への責任ガイドライン」を設けています。
「誠実かつ公正に、よりよい社会へ貢献するため」の行動準則として、社員への教育などを通じて社内における理解、浸透に努めています。
グループ各社の経営トップは率先垂範のもと、各社で内容の徹底を図り、ビジネスパートナーにも促します。

  1. Ⅰ.お客様に対して
    1. 1. サービス・商品に関する適切な情報提供【関係法令:景品表示法】
    2. 2. お客様情報の管理【関係法令:個人情報保護法】
  2. Ⅱ.取引先・ライバル会社に対して
    1. 1. 取引先との公正な関係【関係法令:下請法】
    2. 2. 独占禁止法の遵守【関係法令:独占禁止法】
    3. 3. 知的財産権の尊重【著作権法・商標法・特許法など】
    4. 4. 私的利得の授受禁止【関係法令:不正競争防止法、贈収賄法など】
  3. Ⅲ.企業市民として
    1. 1. 地域社会との融合【関係法令:現地法、国際ルール】
    2. 2. 政治・行政との関係【関係法令:国家公務員倫理法・政治資金規制法・不正競争防止法】
    3. 3. 反社会的勢力との決別【関係法令:各都道府県における暴力団排除条例】
    4. 4. 輸出入に関する法令等の遵守【関係法令:外為法および関税法】
    5. 5. 税務コンプライアンスの遵守【関係法令:法人税法、移転価格税制、印紙税法、消費税法他】
  4. Ⅳ.社内において
    1. 1. ハラスメントの禁止【関係法令:男女雇用機会均等法、公益通報者保護法】
    2. 2. 安全・衛生等の確保【関係法令:労働安全衛生法】
    3. 3. 適正な労働環境の維持【関係法令:労働基準法】
    4. 4. 利益相反行為の回避【関係法令:会社法、不正競争防止法】

ANAグループ調達方針

ANAグループは、安全・安心なサービスの提供だけでなく、調達活動を通じて、地域およびグローバルにおける社会と環境に配慮した活動を率先して行い、社会的価値の創造に貢献していきます。
その一環として、サプライチェーン全体で、より持続可能な調達活動を推進するため、「ANAグループ 調達方針」を策定しています。
ANAグループの一員である全日空商事グループにおいても、ANAグループ調達方針に則り調達活動をしています。

この方針では、児童労働や強制労働の禁止など、人権・労働に関する国際規範の尊重と遵守をサプライヤーに求めています。
また、本方針を重視して取引先の採用を決定するとともに、採用後のモニタリングも定期的に行うなど、関係各社の理解と協力が得られるよう積極的に働きかけています。

ガバナンス

情報セキュリティの強化

全日空商事グループでは、情報セキュリティを強化するため、情報セキュリティの責任体制、情報の持ち出しや保管・廃棄、機密情報の管理などを定めた『全日空商事グループ情報セキュリティマニュアル』を制定しています。それまでの情報管理のルールを見直し、情報の〝機密性〟〝完全性〟〝業務継続性(可用性)〟という情報管理における3つの重要な特性を確保し、グループ各社での情報セキュリティへ対する意識醸成・浸透を推進するよう、サステナビリティ推進部が主体となり、研修や説明会を行っています。また、ANAグループでは情報セキュリティに関する知識取得のため、e-ラーニングを利用した教育を実施しており、全日空商事グループにおいても受講し、情報セキュリティの教育啓発につとめております。

品質管理

全日空商事グループでは、各事業部・グループ各社での事業活動における品質管理と強化を図るため、取締役や執行役員を委員長として3つのカテゴリーにて委員および管理責任者を選任し、事業横断的な委員会を設置しております。

食の安全委員会

「食の安全・安心」をお客様にご提供するために、平時より「食の安全に関する教育・啓蒙」「検査」「監査」を継続的に実施しております。万が一の食品事故の発生によるお客様の健康への影響を事前に回避するために「食の安全委員会」を設置しており、各事業における食の安全・安心を確実に担保できるよう、日々業務改善や情報共有に取り組んでおります。
また、食品を取り扱う事業者としての業務品質、衛生管理レベルを向上させるため、「東京都食品衛生自主管理認証制度」や「品質マネジメントシステムISO」など、外部の認証制度の取得にグループ全体で取り組んでおります。

貿易管理委員会

輸出業務に係る体制整備のために「貿易管理委員会」を設置し、各事業の内部統制を厳格に行い、安全保障輸出管理体制の強化に努めております。
海外事業者との取引や輸出業務の拡大に合わせ、輸出管理に係る規程類やガイドラインを、実際の業務と整合性を取りながら定期的に更新し、体制を整備しております。
法改正への対応や輸出管理の強化を図るため、外部研修や全役職員向けに加え、輸出管理業務に従事する役職員を対象とした社内教育を定期的に実施し、輸出者としての知識習得と理解の向上を図っております。

消費生活用製品 品質管理委員会

衣料品、アクセサリーや玩具などの雑貨に関して、「消費生活用製品 品質管理委員会」を設置し、「消費生活用製品品質管理規程および品質基準」をもとに、品質管理の向上に取り組んでおります。
必要に応じて外部の専門の検査機関などで検査や試験を行いながら、商品の採用・取扱を開始するよう努めております。また、顧客の安全性に係る品質管理業務に必要な知識および技能を習得するよう、外部講師による研修を定期的に開催しております。

リスクマネジメント

全日空商事グループでは、ANAグループとしての取り組みに連動し、平常時より危機事象の予防や、緊急事態が発生した場合に速やかに対応が図れるよう、「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会」や「安全対策室」が設置されています。2020年度からの新型コロナウイルス対策の発生に伴う緊急対応などを主管しました。また、2013年から全社員参加によるリスクの事前対策(予防)型マネジメントに、全てのグループ会社にて取り組み、CSA(Control Self Assessment=統制に関わる自己評価)手法を用いてリスクを洗い出し、そのリスクを組織単位での共有化を図るリスク協議会方式にて実施し、リスク発生の予防にも努めております。